S.O.C

winter show – 池崎拓也、鹿野震一郎


2023年2月14(火) 〜 3月11日(土)
開廊時間:12.00-18.00
オープニングレセプションはありません。
日、月、祝、休


この度、池崎拓也と鹿野震一郎の作品を発表いたします。

池崎拓也(b.1981)は、徳之島出身で幼少期を島で過ごし、鹿児島市内で育ったのち、武蔵野美術大学に進学し、中国に留学しました。その後東京にスタジオを構えましたが、2018年に渡米し現在ニューヨークを拠点に活動しています。コロナ禍で彼を取り巻く環境と風景は大きく変化し、その度に自らの居場所を探し制作をしてきました。1月末まで国立新美術館での「DOMANI・明日展 2022–23」にも参加し、新近作を発表いたしました。The Address on The Addressシリーズは、ニューヨークに移り住んだのち、新しい住所に届いた手紙や、ネットショッピングで購入した商品のパッケージに、主に故郷徳之島の風景を描いたものです。1953年、徳之島を含む奄美群島は戦後8年間のアメリカ統治下から解放されました。はっきりと刻印され明記された現在の自身の住所と、自らの出自である徳之島の風景をオーバーラップさせることで、アイデンティティの所在を探し続けているかのようです。

鹿野震一郎(b.1982)は、トランプや、サイコロ、床に小枝を配置して造られた迷路といったモチーフを、視点や大きさや関係性を変えて描いてきました。そうすることで一枚では完成しているように見えた作品が、他の絵との関係性を通して謎めいた雰囲気や象徴的な意味合いを強め、日常の事物の背後にある複雑な物語や、世界を解き明かす法則が隠されていることを仄めかしているかのようです。1月末まで小平市にある照恩寺にて個展を開催し、新近作を発表いたしました。最近の作品は、以前までの具象的なモチーフを解体しさらにレイヤーを重ね描くことで、画面上での違和感が際立ち、連想ゲームを途中で絶たれてしまうかのようです。

この機会にご高覧いただけましたら幸いです。

 

pagetop