S.O.C

池田光弘個展「dawn」

2020年10月31日(土)〜 11月28日(土)
開廊時間:12.00-19.00
日、月、祝、休
オープニングレセプションはありませんが、初日は作家在廊予定です。
会期、時間につきましては変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。

池田光弘(b.1978)は、複雑で説明不能な知覚構造や体験を、周到にプランを練り、レイヤーを幾重にも重ね描きます。その光景は、ただの場の記録としてではなく、まるで場の記憶を擁する一編の小説のように、モチーフや絵具、主題などが複雑に絡み合い紡がれています。そして、散りばめられた絵具の欠片を拾い集め、断片的に記憶している風景を選択し、上澄みを掬い取ることなどによって絵画を成り立たせています。また、どのような展開が生まれるかを予測しつつ、時に現象をしばし観察、時に奔放な絵具の動きに翻弄されながらも、終着点を探し誘導します。終わりはまた新たな始まりへと導かれ、まっさらなキャンヴァスを張り、新しい物語に向き合います。繰り返す行為の積み重ねは、作品の豊かさに繋がると信じ。

“ dawn “ 光が差し込み、物事の形象がぼんやりと浮かび上がる。予感でしかなかったありように徐々に輪郭が与えられ、それも再び眠りの中に溶けてゆく。輪郭は何度も立ち上がっては溶解を繰り返し、その中で形象が浮上する。 物語ることや想像すること、思考することなどの始まりは常にこのような微睡の中にある。その外形をすぐさま明確なものとするのではなく、未分化なありようをひとつずつゆっくりと眺め、それらを微睡の中で繋げてゆく。 その過程は、物事に確たる形を与え捕らえることではなく、ありようの可能性を遍在させる。 池田光弘

個展タイトル「dawn」とは、夜明けを意味する言葉ですが、同時に、始まり、兆し、なども意味します。このような先行きが不透明な時代において、本展が神話の原初において語られるような始まりを告げ、未来を照らし出す機会となれば幸甚です。個展タイトル「dawn」と同タイトルの新作を中心に、4点から6点の新作を展示予定です。

 

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