2020年9月5日(土)〜 10月3日(土)
開廊時間:12.00-19.00
日、月、祝、休
オープニングレセプションはありません。
会期、時間につきましては変更の可能性がございます。あらかじめご了承ください。
鹿野震一郎(b.1982)は、トランプや、サイコロ、床に小枝を配置して造られた迷路といったモチーフを、視点や大きさや関係性を変えて描いています。そうすることで一枚では完成しているように見えた作品が、他の絵との関係性を通して謎めいた雰囲気や象徴的な意味合いを強め、日常の事物の背後にある複雑な物語や、世界を解き明かす法則が隠されていることを仄めかしているかのようです。
今回の個展では、「logs」という展覧会タイトルのもと、今まで訪れた場所、展示した場所、などをログのように描き留めています。これから鹿野が行く先にはどのような風景が広がっていて、それらはどのように描き留められるのだろうか、と、モビリティを持つことが難しい時節柄、皆様と共に作品を前に思いを馳せる機会となれば幸甚です。
初めての個展からおよそ10年経ちました。いわゆる10周年。もっとも現状2020年は、祝いが似合うような世相とはいえませんが。ともあれ、自分自身もそんな区切り自体に意味があるかと言われれば、さほど大きな意味はないような気がします。ですがそんな淡々と進む周期性を活用し、過去と未来を現在から想像することで、絵を描くきっかけの一つとして機能すると考えました。思い返せば、絵を描いたり発表したことにより、自分だけの意思では出向かったような土地や環境に遭遇しました。たかが10年とはいえ、思い返すには多すぎる『ログ』たち。その断片をもう一度絵のなかに取り込むことを試みました(あの、まあ毎回そんなことをしている気がしますが)。もちろんスペースは有限なので『ログ』の一部になりますが、ぜひご覧いただければと思います。
鹿野震一郎
鹿野震一郎インタビュー:鹿野震一郎インタビュー映像
主な個展に、2018「5 days for a flash (year-end)」 Satoko Oe Contemporary(東京)、2010「plot」LOOP HOLEなど。主なグループ展に、2019「凍りつく窓:生活と芸術」CAGE GALLERY(東京)、2014「絵画の在りか」 オペラシティアートギャラリー(東京)、2013-14「Mono No Aware. Beauty of Things. Japanese Contemporary Art」 エルミタージュ美術館 (サンクトペテルブルク)など。